MicroStrategy ONE

レベル メトリックの概要

レベル メトリックは、配置されたダッシュボードに含まれているものに関係なく、設定されたデータ レベルで評価されるメトリックです。デフォルトでは、メトリックは、ビジュアリゼーション レベル (現在のダッシュボードのアトリビュートのレベル) で評価されます。

例えば、地域アトリビュートを含むダッシュボードに売上メトリックを配置すると、メトリックは地域の売上を計算します。"顧客" を含むレポートにこのメトリックが配置されると、このメトリックによって、顧客ごとの売上が計算されます。これとは対照的に、売上が 「年」レベルで評価されるレベル メトリックを作成すると、どちらのレポートに配置された場合でも、このメトリックは年次売上を計算します。

メトリックのレベル (ディメンションとも呼ばれる) は、以下のコンポーネントから構成されます。

  • [ターゲット]:アトリビュートをメトリックの計算レベルとして指定すると、メトリック指定のアトリビュート レベルが、デフォルトのレポート レベルよりも優先されます。レポート レベルがもたらす柔軟性およびレポート レベル削除の影響については、高度なレポート ヘルプ「高度なメトリック」を参照してください。

  • グループ:メトリックの集計方法を決定します。たとえば、グループを選択して、ターゲットとして選択されたアトリビュートに基づいてメトリック データを計算できます。
  • [フィルタリング]:レポート フィルターがメトリックの計算にどのように影響するかを指定します。たとえば、レポートにさまざまな製品カテゴリ全体の "Revenue" (収益) メトリック データが表示されていて、レポート フィルターに "Literature" (文学) と "Travel" (旅行) のみが含まれている場合、メトリックが計算されるときに "Literature" (文学) と "Travel" (旅行) のデータのみを含むように設定することができます。

レベル メトリック オプション

[レベル オプション] ダイアログ ボックス内のオプションを使用して、メトリックに含まれるデータにレポート フィルターが影響する方法およびメトリック値をグループ化する方法などの、レベル メトリックを定義するためのオプションを選択できます。レベル メトリックでは、メトリックが配置されているレポートに何が含まれているかに関係なく、メトリックが計算されるときに使用するアトリビュートのレベル (ターゲットと呼ばれる) を指定できます。

以下のオプションがあります。

  • レポート フィルターとの関係 : レポート フィルターがメトリックの計算にどのような影響を与えるかを決定します。以下のオプションがあります。
    • 標準 (デフォルト) : レポート フィルターの条件に合致するデータのみがメトリック計算に含まれます。
    • 絶対 : レポート フィルターのレベルをターゲットのレベルに上げ、可能であれば、レポート フィルターをメトリック計算に適用します。たとえば、レポート フィルターに "Washington, DC"、"Boston"、および "New York" のコール センターが含まれているが、"売上" メトリックは "地域" レベルで計算されるとします。"コール センター" は "地域" の子アトリビュートなので、レポート フィルターのレベルは "地域" レベルに上げられ、レポート フィルターは、レポート フィルターに "Washington, DC"、"Boston"、および "New York" が属する地域 (この場合、"中部大西洋岸" および "北東部") が含まれている場合と同様に処理されます。"Washington, DC"、"Boston"、および "New York" 以外のコール センターも含めて、"中部大西洋岸" または "北東部"の地域内のすべてのコール センターからのデータが、メトリック計算に含まれます。
    • 無視 : ターゲットのアトリビュート、およびターゲットの親または子アトリビュートに基づいたレポート フィルターの条件を無視します。たとえば、レポートに地域売上メトリックがある場合は、メトリックの計算時に、レポート フィルター内の "国"、"地域"、"コール センター"に基づく条件はすべて無視されます。しかし、"年" は "地域" に直接関係していないので、"年" に基づく条件は無視されません。
    • なし : レポート フィルターに対するメトリックの関係を未指定のままにします。ここで指定する代わりに、ターゲットおよびグループのオプションによって、メトリック レベルを定義します。
      • レポートがメトリックのターゲットと同じ階層のアトリビュートを含む場合、メトリックはレポート アトリビュートのレベルで集計されます。
      • メトリックのターゲットと同じ階層内の他のアトリビュートがレポートに含まれていない場合、メトリックは絶対オプションが選択されているかのように集計されます。
  • メトリック集計 : レポートに表示する際に、メトリックをどのようにグループ化または集計するかを決定します。次のオプションを利用できます:
    • 標準 (デフォルト) : ターゲットのアトリビュート レベルによってメトリックのデータをグループ化します。
    • なし : メトリック内のデータのグループ化に使用されるターゲット アトリビュートを除外します。ターゲット アトリビュートの子もすべて除外されます。このオプションは、レポート レベルではなく、設定されたレベルで計算されるメトリックに使用できます。

    以下のオプションは、集計不能メトリックでのみ使用されます。集計不能なメトリック は、在庫メトリックなどのアトリビュートで集計できないメトリックです。たとえば、年間の在庫を計算するための月次在庫の数値がデータ ウェアハウスに存在する場合、月次の数値を合計しても、有効なビジネスの測定にはなりません。むしろ、月末在庫数または月初めの在庫数をもとに、年間を通じた在庫総数の変化を把握する必要がある場合があります。

    • ルックアップ開始値 : ルックアップ テーブルの最初の値を使用します。
    • ルックアップ最終値 : ルックアップ テーブルの最後の値を使用します。
    • ファクト先頭値 : ファクト テーブルの最初の値を使用します。
    • ファクト最終値 : ファクト テーブルに含まれる最後の値を使用します。