Version 2021
プロンプトについて
プロンプトは、レポート実行時にユーザーに提示される質問です。質問に対するユーザーの回答によって、データ ソースからデータが返されたときにどのデータがレポートに表示されるかが決定されます。プロンプトの操作説明、プロンプトによってレポート デザイナーの時間を節約する方法、およびプロンプトが MicroStrategy セキュリティ フィルターと連動する方法は、『基本レポーティング ヘルプ』 を参照してください。
レポート デザイナーは、レポートに 1 つ以上のプロンプトを含めることができます。プロンプトは、以下の点で効果的なツールです。
- レポートを実行する各ユーザーは、プロンプトに回答してレポートを実行するときに、個別化されたデータのセットをデータ ソースに要求できます。事実上、各ユーザーがレポートに対してフィルターを作成していることになります。
- レポート デザイナーは、作成するレポートの数は全体的に減少することができます。アナリストごとに個別化された多数の特定のレポートを作成する必要はなく、包括的なオブジェクトを使用できるからです。
- レポート デザイナーは、プロジェクト内の最新の使用可能なオブジェクトをレポート上のオブジェクトにすることができます。これは、プロンプト内の検索オブジェクトを使用して可能になります。レポートを実行することによってユーザーがプロンプトを起動すると、検索オブジェクトによって、レポート デザイナーが定義した検索条件に適合する最新のオブジェクトが取得されます。したがって、プロンプトがいつ作成されたものであっても、ユーザーはレポートを実行するたびに、プロジェクトで使用可能な最新のオブジェクトのリストからプロンプト回答を選択することになります。プロンプトが作成されたときには存在しなかったオブジェクトも含まれます。
- ユーザーは、保存されたレポート上のオブジェクトを最新に保つことができます。ユーザーはプロンプトを保存して、プロンプト内のオブジェクトを、プロンプトが作成されたときに基礎となったプロジェクト内の元のオブジェクトに接続したままにできます。プロジェクトでオブジェクトが変更または削除された場合、プロンプト レポートの次回の実行時に、レポートにそれらの変更が反映されます。
プロンプトのコンポーネント
プロンプトを構成する要素によって、プロンプトの表示および機能が制御されます。これらのコンポーネントには、以下のものがあります。
- 回答の要求: このコンポーネントによって、ユーザーがプロンプトに回答する必要があるか、または回答をオプションにするかを設定できます。回答が必須の場合、回答が示されるまでレポートは実行されません。
- デフォルトのプロンプト回答: このコンポーネントによって、プロンプトに対して事前に選択された回答を含めることができます。ユーザーは、これを受け入れるか、異なる回答に置換するか、受け入れて回答をさらに追加することができます。
- タイトルおよび説明: このコンポーネントによって、わかりやすい名前または説明をプロンプトに付けることができます。ユーザーがプロンプトを簡単と考えるか複雑と考えるかに大きく影響します。
- [スタイル]: このコンポーネントは、プロンプトの外観と、ユーザーがプロンプトに対する回答を選択する方法のレイアウトを決定します。
これらのオプションを指定するときは、レポートおよびレポート上のオブジェクトについてのユーザーのニーズおよび目的を考慮します。プロンプト レポートにスケジュールを適用する計画がある場合、回答の要求およびデフォルトの回答に関する指定は、レポートがスケジュールどおりに自動的に実行されたときにどのようにフィルターされるかに影響します。これらのオプションのさまざまな組み合わせが、スケジュール レポートの実行時にフィルターにどのように影響するかを示す表は、『上級レポーティング ヘルプ』 を参照してください。
これらのコンポーネントごとの詳細と例、およびそれらがどのように相互作用するかについては、『基本レポーティング ヘルプ』 を参照してください。プロンプトの作成の手順は、このトピックの最後にある「関連トピック」の下の該当するリンクを参照してください。
スタンドアロン プロンプト対レポートまたはフィルターの一部としてのプロンプト
スタンドアロン プロンプトは、独立した MicroStrategy オブジェクトとして作成されるプロンプトです。スタンドアロン プロンプトは、多数の異なるレポート、およびフィルター、メトリックなどのオブジェクトで使用でき、ほかのレポート デザイナーも使用できます。スタンドアロン プロンプトは、レポート デザイナーに柔軟性を提供します。
MicroStrategy Developer では、プロンプトは、レポート、またはカスタム グループ自体を作成するときに、同時にそのレポート、フィルター、またはカスタム グループの組み込み部分として作成することもできます。別のオブジェクトの一部として作成されたプロンプトは、そのオブジェクトの定義と共に保存されます。したがって、別のオブジェクトの一部として作成されたプロンプトは、ほかのオブジェクトは使用できません。レポートまたはフィルターの一部としてプロンプトを作成する手順の詳細は、『基本レポーティング ヘルプ』の「クエリ オブジェクトおよびクエリの作成 (デザイナー向け)」を参照してください。カスタム グループの一部としてのプロンプトの作成についての詳細は、『上級レポーティング ヘルプ』 を参照してください。
プロンプトとフィルターの比較
プロンプトによってレポートに表示される特定のデータが決定されるので、プロンプトはフィルターに似ています。相違点は、レポートのフィルターは 1 つの特定の定義をレポートに与えるために作成することです。したがって、フィルターされたレポートでは、そのレポートを実行するすべてのユーザーに対して同じデータのセットが表示されます。これとは対照的に、プロンプトは、ユーザーがレポートを実行するときのユーザーの回答に基づいて、レポートの内容を動的に変更します。プロンプトを使用して、ユーザーは、データ ソースに送信されるレポート クエリの一部にする、またはそこから除外するオブジェクト(アトリビュート、アトリビュート エレメント、メトリックなど)を決定できます。したがって、プロンプトは、各ユーザーが特定のレポートに対する独自のフィルターを作成する方法と考えることができます。次にその例を示します。
- ユーザーは、既存の複数のフィルターから選択して、実行しようとしているレポート上のデータを選別するフィルターを正確に指定できます。これを行うには、既存のフィルターが含まれたオブジェクト プロンプトを作成し、そのオブジェクト プロンプトをレポートに配置します。それによって、ユーザーがレポートに適用するフィルターを選択できます。オブジェクト プロンプトの詳細は、オブジェクト プロンプトを作成するにはを参照してください。
- プロンプトによって、レポートに動的なレポート定義を持たせることができます。ユーザーは、プロンプトで異なる回答を選択することによって、クエリを発行するたびにそのレポート定義を変更できます。"年" アトリビュートが含まれるアトリビュート プロンプトを作成した場合、ユーザーはレポート結果として必要な年を選択するよう求められます。最初に 2005 年を選択してレポートを実行し、次回は 2006 年を選択することができます。