MicroStrategy ONE

HTML ドキュメントの作成および実行の設定

HTML ドキュメントを作成するには、Windows プラットフォームの MicroStrategy Developer を使用する必要がありますが、HTML ドキュメントは Linux プラットフォーム内のディレクトリに格納して実行することができます。HTML ドキュメントを保存するディレクトリは、Intelligence Server がインストールされたコンピューター、および MicroStrategy Developer がインストールされた Windows コンピューターからアクセスできる場所に配置する必要があります。

HTML ドキュメント ディレクトリの場所は、MicroStrategy Developer の [プロジェクト構成] ダイアログ ボックスを使用して、絶対パスで指定する必要があります。このドキュメント ディレクトリは、ローカル コンピューターまたはリモート コンピューターのいずれかに配置できます。ユーザーには、このディレクトリにアクセスするための適切な読み取りおよび書き込み許可が必要です。MicroStrategy Intelligence Server が HTML ドキュメントを実行するときは、これらの HTML ファイルにアクセスするために、Intelligence Server Universal には HTML ドキュメント ディレクトリへの読み取り許可が必要です。

以下の手順で、Windows コンピューターと Linux コンピューターの間で HTML ドキュメント ディレクトリを設定します。この手順では、次のことを前提にしています。

  • MicroStrategy Developer が Windows コンピューターにインストールされており、MicroStrategy Intelligence Server が Linux コンピューターにインストールされている。

    Developer は、Windows コンピューターにのみインストールできます。

  • 既存の HTML ドキュメントを実行するために、MicroStrategy Developer ユーザーには少なくとも HTML ドキュメント ディレクトリの読み取り許可が付与されている。HTML ドキュメントを作成するには、このディレクトリへの書き込み許可が必要です。
  • 下記の手順で説明するファイル パスでは、HTML ドキュメント ディレクトリを保存するコンピューターの名前を machine-name として表しています。たとえば、UNIX1 という名前のコンピューターにディレクトリを保存する場合、machine-name を UNIX1 に置き換える必要があります。Windows コンピューター上のフォルダーにアクセスするために、このコンピューターには Samba をインストールする必要があります。
  • HTML ドキュメント ディレクトリを設定するには、使用する Linux コンピューターへのルート権限が必要です。これには、HTML ドキュメント ディレクトリを保存するコンピューターだけでなく、そのディレクトリへのアクセスを設定する必要のあるすべてのコンピューターが含まれます。

HTML ドキュメント ディレクトリを設定するには

  1. 使用する Linux コンピューターに、HTML ドキュメント ディレクトリを保存するディレクトリを作成します。この手順は、HTML ドキュメント ディレクトリのパスが machine-name:/share/htmldocuments であることを想定しています。下記の手順では、このコンピューターを machine-name と表記しています。このディレクトリを作成するには、下記のコマンドを入力します。

    # cd /

    # mkdir share

    # cd share

    # mkdir htmldocuments

  2. 上の手順で HTML ドキュメント ディレクトリを作成した Linux コンピューター に Samba をインストールします。このソフトウェアにより、MicroStrategy Developer をインストールした Windows コンピューターから HTML ドキュメント ディレクトリへのアクセスが可能になります。最新バージョンの Samba は、http://www.samba.org からインストールできます。

    この場合、Samba は一般的な拡張子である .com を使用するのではなく、.org という拡張子を使用する点に注意してください。拡張子の .com を使用すると、間違ったウェブ サイトにナビゲートされます。

  3. machine-name:/share というディレクトリを NFS を介してネットワーク全体で共有します。たとえば、UNIX1:/share を共有する必要があります。共有するディレクトリには、読み取りおよび書き込み許可を設定しておく必要があります。この手順で、他の Linux コンピューターからこのディレクトリへのアクセスが可能になります。
  4. 「share」という名前と、machine-name:/share ディレクトリをポイントする読み取りおよび書き込み権限を持つ Samba 共有を作成します。たとえば、UNIX1:/share を共有する必要があります。この手順で、Windows コンピューターからこのディレクトリへのアクセスが可能になります。

    この Samba 共有は、Samba の smb.conf ファイル内に作成されます。Samba 共有の設定手順は、Samba のウェブ サイト (http://www.samba.org) を参照してください。

  5. Samba を再起動します。
  6. Intelligence Server がインストールされたコンピューターに、HTML ドキュメント ディレクトリをマウントします。この操作にはルート権限が必要です。

    Intelligence Server がインストールされたコンピューターで、コマンド プロンプトに su コマンドおよび root パスワードを入力して superuser としてログインするか、または root としてログインします。コマンド プロンプトがシャープ記号(#)に変わります。下記のコマンドを実行します。

    下記のコマンドでは、HTML ドキュメント ディレクトリを保存し、NFS および Samba 共有を作成したコンピューターを machine-name と表記しています。この名前は、このディレクトリをマウントするコンピューターとは異なる名前にすることもできます。最終マウント コマンドでは、/htmldocuments/machine-name の間にスペースが含まれます。

    cd /

    mkdir machine-name

    cd machine-name

    mkdir share

    cd share

    mkdir htmldocuments

    cd /

    mount machine-name:/share/htmldocuments /machine-name/share/htmldocuments

  7. Windows コンピューターから Linux HTML ドキュメント ディレクトリへの接続はキャッシュできるため、このディレクトリにアクセスするたびに認証を求めるプロンプトが表示されることはありません。
    1. MicroStrategy Developer をインストールした Windows コンピューターで、[スタート] をクリックし、[ファイル名を指定して実行] を選択します。[ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスが開きます。
    2. \\machine-name\share\htmldocuments と入力し、[OK] をクリックして最上位の共有 HTML ドキュメント ディレクトリを開きます。たとえば、\\UNIX1\share\htmldocuments と入力します。

    この操作は、コンピューターを再起動するたびに行う必要があります。

  8. 下記の手順に示すように、MicroStrategy Developer の [プロジェクト構成] ダイアログ ボックスを使用して、HTML ドキュメント ディレクトリを絶対パスとして設定します。
    1. Developer で、HTML ドキュメントに関連付けられているプロジェクトを右クリックし、[プロジェクト構成] を選択します。[プロジェクト構成] ダイアログ ボックスが開きます。
    2. [プロジェクト定義] を拡張し、[上級] をクリックします。[プロジェクト構成 - 上級] オプションが表示されます。
    3. HTML ドキュメント ディレクトリ ボックスで、絶対パス \\machine-name\share\htmldocuments を入力します。たとえば、\\UNIX1\share\htmldocuments と入力します。
    4. [OK] をクリックして、変更を受け入れます。
  9. HTML ドキュメント ディレクトリの下に xsls という名前のディレクトリを作成し、HTML ドキュメントの作成に必要な XSL ファイルをその xsls ディレクトリ /machine-name/share/htmldocuments/xsls にコピーします。別のディレクトリに XSL ファイルを格納している場合、または XSL ファイルを元のデフォルト ディレクトリからコピーしていない場合は、新しい xsls ディレクトリにその XSL ファイルをコピーする必要があります。たとえば、Tutorial プロジェクトのデフォルト HTML ドキュメント ディレクトリは Program Files\MicroStrategy\Tutorial Reporting です。
  10. HTML ドキュメントにイメージを挿入する場合、images という名前のディレクトリを HTML ドキュメント ディレクトリの下に作成し、イメージをそのディレクトリ /machine-name/share/htmldocuments/images にコピーします。

これで、HTML ドキュメントを作成および実行する準備が整いました。HTML ドキュメントは、必ず HTML ドキュメント ディレクトリに作成してください。そうでない場合、Intelligence Server が正しく HTML ドキュメントを実行できません。