Version 2021

レベル メトリック: データ計算のコンテキストを変更するには

開始する前に

レポートの結果に関連するさまざまなビジネス概念のレベルでのデータの集計および計算について、理解しておく必要があります。MicroStrategy でのデータ集計レベルについて確認するには、 の『上級レポーティング ヘルプ』を参照してください。

レベル メトリックについて

レベル メトリックは、そのメトリックが配置されているレポートに何が含まれているかに関係なく、設定されたデータ レベルで評価されるメトリックです。デフォルトでは、メトリックは、メトリックが配置されているレポートでのアトリビュートのレベル (レポート レベルと呼ばれる) で評価されます。たとえば、売上のメトリックは、デフォルトではレポート レベルで評価されます。"地域" を含むレポートにこのメトリックが設定されると、このメトリックによって地域売上が計算されます。"顧客" を含むレポートにこのメトリックが配置されると、このメトリックによって、顧客ごとの売上が計算されます。これとは対照的に、売上が "年" レベルで評価されるレベル メトリックを作成すると、どちらのレポートに配置された場合でも、このメトリックは年次売上を計算します。

レベル メトリックは、1 つのオブジェクトの全体に対する割合を判断するのに役立ちます。たとえば、販売している個々の製品ごとに、売上および利益に対する割合を判定する必要があるとします。

条件 (レベル) メトリックの例

上の例では、"Revenue" (売上) メトリックは "Product" レベルで計算されて、レポートに表示される各売上値は、"Ladies Home Journal" (レディーズ ホーム ジャーナル) や "Seventeen magazine" (セブンティーン マガジン) などの特定の製品の販売によって計上された売上を含みます。ただし、総売上に対する各製品の割合を計算するには、製品レベルの売上を、すべての製品に一括して計算された売上で割ります。これを行うには、メトリックが計算されるレベルを指定できるレベル メトリックを使用します。

次の例では、"Revenue" メトリックは、レポート レベルで製品ごとに計算されています。一方、"Revenue (Dimensionality All Products)" (売上 (全製品ディメンション)) メトリックは、全製品の売上を表示します。割合のメトリックである "% of All Revenue (by Product)" (全売上の % (製品別)) は、"Revenue" メトリックを "Revenue (Dimensionality All Products)" メトリックで割って作成されます。

条件 (レベル) メトリックの例

メトリックのレベル (ディメンションとも呼ばれる) は、以下のコンポーネントから構成されます。

  • [ターゲット]: メトリックが計算されるアトリビュート レベル。ターゲットには、アトリビュートまたは階層を選択できます。階層を使用することによって、レベル メトリックをレポートに動的に適応させることができます。メトリックは、この階層のアトリビュートを含むレポートに配置すると、階層の最下位アトリビュートのレベルで計算されます。ターゲットとしての階層の使用については、『上級レポーティング ヘルプ』を参照してください。

    アトリビュートをメトリックの計算レベルとして指定すると、メトリック指定のアトリビュート レベルが、デフォルトのレポート レベルよりも優先されます。レポート レベルがもたらす柔軟性およびレポート レベルの削除による影響については、 『上級レポーティング ヘルプ』を参照してください。
  • グループ: メトリックの集計方法を決定します。たとえば、グループを選択して、ターゲットとして選択されたアトリビュートに基づいてメトリック データを計算できます。
  • [フィルタリング]: レポート フィルターがメトリックの計算にどのように影響するかを指定します。たとえば、レポートにさまざまな製品カテゴリ全体の "Revenue" (収益) メトリック データが表示されていて、レポート フィルターに "Literature" (文学) と "Travel" (旅行) のみが含まれている場合、メトリックが計算されるときに "Literature" (文学) と "Travel" (旅行) のデータのみを含むように設定することができます。

レベル メトリックと、ターゲット、グループ、およびフィルターのオプションがどのように機能するかなどのレベル メトリックのコンポーネントについての詳細な説明と例は、『上級レポーティング ヘルプ』を参照してください。

メトリックを作成するには、以下で構成されるメトリックの式を定義する必要があります。

  • [関数]: Sum または Count などの、ビジネス データに適用される計算。メトリックを作成する方法によって、メトリックに複数の関数が含まれる場合があります。
  • : データ ソースからのビジネス データ。式には、ビジネス ファクト、アトリビュート、または他のメトリックを含めることができます。

レベル メトリックを作成する手順を下に示します。メトリックの式を直接定義することによってメトリックを作成したい場合は、メトリック式エディターを参照してください。

レベル メトリックを作成するには

  1. 任意のページで [作成] をクリックして、[新規メトリック] を選択します。[関数またはテンプレートを選択] ダイアログ ボックスが開きます。
  2. ドロップダウン リストから、[メトリック テンプレート] (リストの一番下) を選択します。[レベル] を選択します。
  3. [次へ] をクリックします。関数エディターが開きます。
  4. [集計関数] ドロップダウン リストから、メトリックを作成するために使用する関数を選択します。
  5. 以下のいずれかの方法で、メトリック式を定義します。
    • 式に追加するオブジェクトの名前を直接入力するには、[式] フィールドに、オブジェクトの名前を入力します。入力中に、一致するオブジェクトがドロップダウン リストに表示されます。オブジェクトをクリックまたは入力を続行することができます。売上 - 利益など、複数のオブジェクトを入力できます。
    • オブジェクトを選択して式を指定するには、[ブラウズ] アイコン [ブラウズ] アイコン をクリックします。[オブジェクトを選択] ダイアログ ボックスが開きます。オブジェクトへナビゲートして選択するか、オブジェクトを検索することができます。
  6. [レベル] 領域内のオプションが表示されていない場合は、[レベル] オプションを展開します。
  7. デフォルトでは、メトリックは、レポート レベルと呼ばれる、レポートでのアトリビュートのレベルで評価されます。レポート レベルを使用することによって、メトリックの計算をさまざまなレポートに適応させることができます。レポート レベルは、メトリックから削除することができます。レポート レベルを削除すると、レポートに配置されているアトリビュートに関係なく、メトリックに明示的に設定されたレベルのみがメトリック計算に影響します。メトリックにレベルを追加するためにレポート レベルを削除する必要はありません。レポート レベル、およびレポート レベルの削除による影響についての詳しい説明は、 『上級レポーティング ヘルプ』を参照してください。以下のいずれかを実行します。
    1. メトリックからレポート レベルを削除するには、[レポート レベル] の隣にある [削除] アイコン [削除] アイコン をクリックします。
    2. レポート レベルが削除された後にそのレポート レベルをメトリックに追加するには、[レポート レベルを追加] アイコン [レポート レベルを追加] アイコン をクリックします。
  8. メトリックが計算されるアトリビュート レベル (ターゲットと呼ばれる) を定義するには、[ブラウズ] アイコン [ブラウズ] アイコン をクリックします。ターゲットを参照して選択します。
  9. 追加したターゲットの隣にある [レベル オプション] アイコン [レベル オプション] アイコン をクリックします。
  10. レポート フィルターがメトリック計算にどのように影響するかを定義できます。[レポート フィルターとの関係] ドロップダウン リストから、以下のいずれかを選択します。
    • レポート フィルターの条件を満たすデータのみをメトリック計算に含めるには、[標準フィルタリング] を選択します。
    • レポート フィルターのレベルをターゲットのレベルに上げるには (可能な場合)、レポート フィルターをメトリック計算に適用して、[絶対フィルタリング] を選択します。たとえば、レポート フィルターに "Washington, DC"、"Boston"、および "New York" のコール センターが含まれているが、"売上" メトリックは "地域" レベルで計算されるとします。"コール センター" は "地域" の子アトリビュートなので、レポート フィルターのレベルは "地域" レベルに上げられ、レポート フィルターは、レポート フィルターに "Washington, DC"、"Boston"、および "New York" が属する地域 (この場合、"中部大西洋岸" および "北東部") が含まれている場合と同様に処理されます。"Washington, DC"、"Boston"、および "New York" 以外のコール センターも含めて、"中部大西洋岸" または "北東部"の地域内のすべてのコール センターからのデータが、メトリック計算に含まれます。
    • ターゲット アトリビュートおよびターゲットの親または子アトリビュートに基づいた、レポート フィルター内の条件をすべて無視するには、[フィルタリングを無視] を選択します。たとえば、レポートに地域売上メトリックがある場合は、メトリックの計算時に、レポート フィルター内の "国"、"地域"、"コール センター"に基づく条件はすべて無視されます。しかし、"年" は "地域" に直接関係していないので、"年" に基づく条件は無視されません。
    • レベルのターゲットとグループ コンポーネントによってフィルターが定義されるようにするには、[なし] を選択します。
  11. レポートに表示されるときにメトリックがグループ化 (集計) される方法を指定できます。[メトリック集計] ドロップダウン リストから、以下のいずれかを選択します。
    • ターゲットのアトリビュート レベルでメトリックのデータをグループ化するには、[標準] を選択します。
    • [なし]: メトリックのデータをグループ化に使用されないように、ターゲット アトリビュートを除外します。ターゲット アトリビュートの子もすべて除外されます。このオプションは、レポート レベルではなく、設定されたレベルで計算されるメトリックに使用できます。

      次のオプションは、集計不能なメトリックにのみ使用されます。集計不能なメトリック は、在庫メトリックなどのアトリビュートで集計できないメトリックです。たとえば、年間の在庫を計算するための月次在庫の数値がデータ ウェアハウスに存在する場合、月次の数値を合計しても、有効なビジネスの測定にはなりません。むしろ、月末在庫数または月初めの在庫数をもとに、年間を通じた在庫総数の変化を把握する必要がある場合があります。以下のオプションがあります。

      • [開始 (ルックアップ)]: ルックアップ テーブルの最初の値を使用します。
      • [終了 (ルックアップ)]: ルックアップ テーブルの最後の値を使用します。
      • [開始ファクト]: ファクト テーブルの最初の値を使用します。
      • [終了ファクト]: ファクト テーブルの最後の値を使用します。
  12. [OK]をクリックします。
  13. 必要に応じて、上の該当する手順を繰り返して、メトリックにレベルを追加します。
  14. メトリック ヘッダーおよびメトリック値がレポートで書式設定および表示される法方を定義することができます。たとえば、数値の表示方法、フォントのスタイルとサイズ、およびセルの表示色を定義できます。定義した書式は、どのレポートにメトリックが配置されるかに関係なく、メトリックに適用されます。メトリックを書式設定する手順は、メトリックの [書式] ダイアログ ボックスを参照してください。
  15. メトリック フィルターおよびメトリック計算の相互作用に関するオプションを定義できます。[レベル] 領域で [レベルの高度なオプション] アイコン [レベルの高度なオプション] ダイアログ ボックス をクリックして、[レベルの高度なオプション] ダイアログ ボックスで適切なオプションを選択します。
  16. 変更内容を保存するには、[保存] をクリックします。[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスが開きます。メトリックを保存したいフォルダーに移動します。メトリックの [名前] および [説明] を入力し、[OK] をクリックします。
  17. メトリックに条件またはトランスフォーメーションを追加することができます。以下のものから選択します。

関連トピック

[レベル オプション] ダイアログ ボックス: レベルのフィルタリングおよび集計に関するオプションについての情報

[レベルの高度なオプション] ダイアログ ボックス: メトリック フィルターとメトリック計算の相互作用に関するオプションについて

メトリックの概要: メトリックの基本情報