MicroStrategy ONE

5.メタデータの更新

Intelligence Server のアップグレード後、以下の手順でメタデータを更新します。この手順では、MicroStrategy One で使用できる新機能をサポートするために、メタデータ テーブルの作成と更新を行います。

メタデータを更新することにより、既存のオブジェクトと、MicroStrategy クライアントとの互換性が維持されます。また、更新済みバージョンのメタデータでのみ使用できるクライアント アプリケーション、機能、およびオブジェクトを通じて可能な、新しい構成の設定も利用できます。

メタデータの更新プロセス中に、インデックスおよび主キーの管理などのタスクのために、Configuration Wizard によって追加の SQL が生成されます。更新プロセス中にこの SQL を表示するには、Configuration Wizard の [要約] ページの [要約] ペインで、[SQL プレビュー] をクリックします。また、更新プロセスを完了した後は、生成された SQL は MicroStrategy の Common Files ディレクトリに保存されます。ファイル名は OriginalScript_generated.sql、ここで OriginalScript 元の SQL 更新スクリプト名です。たとえば、Oracle Database を更新している場合、元の SQL 更新スクリプトは mdorcl.sql 生成された SQL ファイルは mdorcl_generated.sql

以下の点に注意してください。

  • MicroStrategy のデフォルトのユーザー グループおよびセキュリティロールに割り当てられた権限を変更した場合、メタデータの更新により、それらの変更が上書きされる可能性があります。特に、更新された権限のリストに挙げられている権限を使用するグループに対して変更を行った場合は、メタデータの更新により、これらの変更が上書きされます。
  • エラーが発生した場合に Configuration Wizard のログ ファイルを表示する方法の詳細は、アップグレード中の問題の解決を参照してください。
  • メタデータを更新するために以前使用されていた MDUpdate コマンド ライン ユーティリティは、現在サポートされていません。コマンド ラインからメタデータを更新するには、Configuration Wizard で応答ファイルを使用できます。

更新が必要な各プロジェクト ソースについて、Configuration Wizard の各ページを順番に操作する代わりに、更新情報を持つ応答ファイルを作成して Configuration Wizard で使用することにより、メタデータを自動更新することができます。応答ファイルを使用したメタデータ更新の詳細については、Configuration Wizard での応答ファイルの使用を参照してください。

GUI モードの Configuration Wizard へのアクセスがない場合、応答ファイルを使用してメタデータを更新する必要があります。

MicroStrategy のメタデータを更新するための前提条件

MicroStrategy メタデータを最新バージョンに更新する前に、以下の前提条件を満たしていることを確認してください。

  • メタデータ更新プロセスは、"システム アドミニストレーター" ユーザー グループのメンバーであるか、または事前設定された Administrator ユーザーである MicroStrategy ユーザーのみが、実行することができます。すべての管理権限を持っているだけでは十分ではありません。このユーザーは、"システム アドミニストレーター" ユーザー グループのメンバーである必要があります。
  • プロジェクトのメタデータは、更新前のバージョンが、更新を実行する Configuration Wizard をインストールしたコンピューターのバージョン以前でなければなりません。メタデータよりも前のバージョンの製品は、新しいバージョンのメタデータの更新を実行できません。
  • クライアント、プロジェクト、および Intelligence Server の言語設定がすべて同じである必要があります。
  • 更新するプロジェクトがロックされていない必要があります。プロジェクトのメタデータのロックを解除するには、Developer の [管理] メニューで [ロック] > [プロジェクトのロック解除] と選択します。

Configuration Wizard を使用してメタデータを更新するには

  1. [現環境を MicroStrategy Secure Enterprise へアップグレード] オプションを選択します。[次へ] をクリックします。
  2. [Intelligence Server コンポーネント] オプションを選択します。[次へ] をクリックします。
  3. [MicroStrategy 認証] ページで、MicroStrategy システム アドミニストレーターのユーザー名とパスワードを入力します。[次へ] をクリックします。
  4. [メタデータ接続] ページで、MicroStrategy のメタデータにアクセスするためのデータベース パスワードを入力します。[次へ] をクリックします。

    DSN とログイン ID は、前に行ったサーバー構成に基づいて提供されます。

  5. [コンポーネントの選択] ページで、アップグレードする各 Intelligence Server のチェック ボックスをオンにします。
  6. 選択した各 Intelligence Server の下で、以下のシステム コンポーネントから、アップグレードするものを選択します。
    • メタデータ リポジトリーをアップグレード:メタデータ リポジトリーには、お使いの MicroStrategy アプリケーションおよびサポート オブジェクトの定義が含まれています。最新バージョンの MicroStrategy の新機能や更新された機能をすべてサポートするには、メタデータのアップグレードが必要です。
    • リーン オブジェクト移行:リーン オブジェクトは、メタデータ テーブルで使う、より短縮化した形式のオブジェクト表現です。リーン オブジェクトは、通常 25 ~ 50% 小さく、元の表現より大きくなることは決してありません。既存のオブジェクトをリーン オブジェクトに移行すると、オブジェクトの読み込みも従来の表現より高速化されます。

      この形式として作成されたすべでの新しいオブジェクト、および既存のオブジェクトは保存のときに、新しい形式に変換されます。[リーンオブジェクト移行] を選択すれば、リポジトリー内のすべてのオブジェクトが同時に新しい形式に変換されます。このオプションは、[メタデータ リポジトリーをアップグレード] を選択すると、自動的に選択されます。

      [リーンオブジェクト移行] は MicroStrategy プロジェクト内のオブジェクトが新しいオブジェクトの表現を使用するように変更します。この移行を完了するために、長い時間と大量なリソースが要求される可能性があります。

      リーンオブジェクト移行によりオブジェクトに使用するディスク領域が低減されます。ただし、移行では、各プロジェクト内のすべてのオブジェクトが再保存されることになります。データベース トランザクションのログ記録ポリシーによって、この移行はメタデータ データベースのサイズの一時的な増加の原因になることがあります。

    • 権限を更新:権限を更新することにより、ユーザーは、以前のバージョンの MicroStrategy と同じ機能にアクセスできます。

      デフォルトでは、権限は、MicroStrategy メタデータのバージョンに基づいて更新されます。ただし、以前に MicroStrategy メタデータをアップグレードしたときに同時に権限をアップグレードしなかった場合は、どの MicroStrategy バージョンに権限を最後にアップグレードしたかを特定する必要があります。

      これを行うには、[権限を更新] の右側の [上級] をクリックします。[権限バージョンを選択] ダイアログ ボックスが開き、デフォルトにより、使用している MicroStrategy メタデータのバージョンが選択されています。ドロップダウン リストから、権限を最近アップグレードしたときのアップグレード先の MicroStrategy のバージョンを選択し、[OK] をクリックします。

    • 履歴メッセージを移行:このオプションを選択すると、既存の履歴レポジトリを、検索結果の向上、スケーラビリティ、およびパフォーマンス向上のために、新しい形式に移行します。ファイル ベースのリポジトリーは、データベース ベースのリポジトリーまたはハイブリッド リポジトリーに移行でき、データベース ベースのリポジトリーは、ハイブリッド レポジトリに移行できます。
      • このチェック ボックスをオンにすると、この移行用の追加の構成オプションが、この後の [履歴の移行] ページで表示されます。アップグレードの過程で、この Intelligence Server およびクラスター内の他のどの Intelligence Server も停止し、再起動されます。
      • 現在、ファイル ベースの履歴リポジトリーを使用しており、そのフォーマットの使用を継続したい場合は、このチェック ボックスをクリアします。アップグレード後に Intelligence Server を再起動したとき、リポジトリーは更新されますが、フォーマットは影響されません。
      • データベース ベースまたはハイブリッド履歴リポジトリを使用していて、同じタイプのリポジトリの使用を継続したい場合、履歴リスト データベースのアップグレードについては、履歴リスト データベースを参照してください。6.履歴データベース リポジトリを参照してください。
    • Distribution Services オブジェクトを更新:Distribution Services サブスクリプション オブジェクトをアップグレードするには、このチェック ボックスを選択します。この更新は、Distribution Services サブスクリプションが最新のリリースに含まれる新機能および機能拡張を確実にサポートできるようにするために必要です。このオプションを選択する場合、メタデータ リポジトリーが既にアップグレードされているか、今回の更新においてアップグレードされるよう選択されていることを確認してください。
    • データベース インスタンスの更新:現在 JCO 2.x を使用しているすべての MDX データベース インスタンスを JCO 3.x に更新するには、このチェック ボックスを選択します。MicroStrategy 10.x では、使用されている Java Virtual Machine は JCO 2.x をサポートしていません。このオプションは、JCO 2.x を使用するよう設定されている MDX データベース インスタンスのみに影響を与えます。
  7. 更新する個々のプロジェクトを選択します。Intelligence Server にロードされているプロジェクトのみを更新できます。プロジェクトの更新には、次の任意のオプションを含めることができます。
    • プロジェクト論理的アップグレードを実行:プロジェクトを MicroStrategy の最新バージョンに更新します。このオプションは、レポート、ドキュメント、ダッシュボードの定義を更新し、 MicroStrategyの旧バージョンで作成されたレポートとドキュメントのパフォーマンスを向上させ、メモリ使用量とストレージ要件を削減します。

      以下の点に注意してください。

      • この更新が完了済みの場合は、このオプションの表示は [プロジェクト論理的アップグレードを再実行] になります。
      • プロジェクトのアップグレードに関するその他のオプションを実行するには、このアップグレードが必要です。
      • 更新済みの Report Services ドキュメントを、以前のバージョンの MicroStrategy で実行することはできません。
      • プロジェクトに含まれるレポートやドキュメントの数により、更新には長い時間がかかることがあります。
    • リーン オブジェクト移行:[リーンオブジェクト移行] を選択すれば、このプロジェクト内のすべてのオブジェクトが同時に新しい形式に変換されます。

      [リーンオブジェクト移行] はこのプロジェクト内のオブジェクトが新しいオブジェクトの表現を使用するように変更します。この移行を完了するために、長い時間と大量なリソースが要求される可能性があります。

      リーンオブジェクト移行によりオブジェクトに使用するディスク領域が低減されます。ただし、移行では、このプロジェクト内のすべてのオブジェクトが再保存されることになります。データベース トランザクションのログ記録ポリシーによって、この移行はメタデータ データベースのサイズの一時的な増加の原因になることがあります。

    • スケジュールを更新:以前のバージョンのサブスクリプションを、MicroStrategy One で表示できるようにします。
    • MDX ソース オブジェクトを更新:向上したパフォーマンスを活用できるように、以前のバージョンの MicroStrategy で作成された MDX データソース オブジェクト (MDX キューブ) を更新します。

      デフォルトでは、複数のプロジェクトを更新するときに、あるプロジェクトで更新が失敗すると、更新プロセスは他のプロジェクトに対して継続されます。これにより、可能なすべての更新を完了して、その後、エラーを確認することができます。あるプロジェクトが失敗した場合に他のプロジェクトの更新プロセスを中止するには、[1 つのプロジェクト更新に失敗した場合でも、残りのプロジェクトを更新] チェック ボックスをクリアします。

      プロジェクトに含まれる MDX ソース オブジェクトの数により、更新には長い時間がかかることがあります。

    • OLAP キューブを PRIME に更新:すべてのインテリジェント キューブを PRIME アーキテクチャに更新するには、このチェック ボックスを選択します。このアーキテクチャは、並列処理およびその他の最適化を使用して、インテリジェント キューブの結果公開のパフォーマンスを向上します。この更新は、そのプロジェクトのすべてのインテリジェント キューブに適用されます。
    • インポートしたキューブを OLAP Services から PRIME に更新:すべてのデータ インポート データセットを PRIME アーキテクチャに更新するには、このチェック ボックスを選択します。このアーキテクチャは、並列処理およびその他の最適化を使用して、データ インポートの結果公開のパフォーマンスを向上します。この更新は、データ インポートを使用した結果としてプロジェクトに含まれるデータ セットに適用されます。

      OLAP Services Cube キャッシュとデータ インポート キューブの PRIME への更新は、アップグレード プロセス中に行う方が簡単です。すぐに更新しない場合、各キューブは、それぞれの使用時に更新されます。一度にアップグレードしておくことで、エンド ユーザーに一貫したパフォーマンスを提供できます。

  8. [次へ] をクリックします。
  9. [履歴メッセージを移行] オプションを選択した場合は、[履歴ターゲット データベース] ページで、履歴データベースの必要な情報を指定します。
  10. [次へ] をクリックします。
  11. [要約] ページで、アップグレードの選択内容を確認して [終了] をクリックします。