Version 2021

[高度なメトリック オプション] ダイアログ

[高度なメトリック オプション] ダイアログでメトリックの高度なオプションを指定できます。

  1. メトリック エディターを開きます。
  2. [メトリック オプション] をクリックします。

一般

[一般] セクションでは、動的集計関数、およびメトリックがスマート小計を使用するかどうかを選択できます。

[動的集計関数]: アトリビュートがレポート グリッドから [レポート オブジェクト] パネルに移動されるとき行われる、メトリック値のロールアップ (動的集計と呼ばれる) に使用する関数を選択できます。

[スマート メトリックを許可]: 以下に説明するように、メトリックがメトリックの個々のエレメントの小計を計算するかどうか指定します。このオプションは、複合メトリックに使用可能です。

複合メトリックの式は、算術演算子で結合された複数のオブジェクトで構成することができます (Metric1/Metric2(Fact1 + Fact2)/Fact3 など)。複合メトリックの小計は、異なる方法で計算できます。

  • 複合メトリックのすべての部分の合計を計算し、続いて複合メトリックを計算します。この式は Sum(Metric1)/Sum(Metric2) で表されます。
  • レポートの各行の複合メトリックを計算し、続いてデータを適切なレベルにロールアップします。この式は Sum(Metric1/Metric2) で表されます。

最初のケースでは、メトリックの各エレメントの小計を計算するスマート小計を使用します (スマート メトリックとも呼ばれる)。たとえば、"Profit Margin"(利幅)メトリックは、"Profit"(利益)メトリックを "Revenue"(売上)メトリックで除算して計算されます。"Profit Margin"(利益率)メトリックは次のように集計されます。

  • すべての利益値を加算します。すべての売上値を加算します。2 つの合計を除算します。これがスマート メトリックです。
  • 各利益値を各売上値で除算してから、結果の比率を合計します。

小計

[小計] セクションでは、デフォルトの小計関数と、レポートでこのメトリックを小計するために使用できる関数を選択できます。

[デフォルト小計の関数]: レポート小計を計算するために使用するデフォルト関数を選択します。レポートでメトリックが使用されたときに総計が表示されないようにするには、[なし] を選択します。

[このメトリックで使用可能にする小計を選択]: メトリックの小計を計算するために使用できる関数を選択します。これを行うには、[拡張] アイコン [展開] アイコン をクリックします。レポートが実行されるときにユーザーが使用できる小計タイプを選択して、使用できないようにしたい小計タイプをクリアします。メトリックがレポートで使用されたときにどの小計も表示されないようにするには、すべての小計タイプをクリアします。

VLDB プロパティ

[VLDB プロパティ] セクションでは、VLDB のプロパティを指定し、データベース固有の一意な最適化を利用できます。

[Null Checking for Analytical Engine] (分析エンジンの NULL チェック): 分析エンジンが計算を実行する際に NULL 値をゼロに変換するかどうかを決定します。詳細は、『上級レポーティング ヘルプ』を参照してください。

[Subtotal Dimensionality Aware] (小計のディメンション認識): メトリックの計算に使用されるアトリビュート レベル (ディメンション) に基づく小計を有効にします。このオプションが [真] に設定されており、レポート レベルよりも上のレベルで計算されたメトリックがレポートに含まれている場合、メトリックのレベルに基づいてメトリックの小計が計算されます。たとえば、年間売上のメトリックを含む四半期レベルでのレポートでは、年間売上はレポートの行の単純合計ではなく小計として計算されます。デフォルト値は、[継承 - 真]です。

[Metric Validation] (メトリック検証): メトリックに動的ソースを使用可能にするかどうか指定します。通常のレポートに、レポート要件を満たすことのできる公開されたインテリジェント キューブに自動的にアクセスすることを許可することで、動的ソースは、インテリジェント キューブにアクセスし易くします。一般に、メトリックが外部結合を使用している場合、動的ソースを通してインテリジェント キューブからレポートに正確なデータを返すことができます。ただし、メトリックがより一般的な結合タイプである内部結合を使用する場合、動的ソースを通してメトリック データが正しく表示されることを確認する必要があります。デフォルト値は、[継承 - 動的ソースを有効化]です。

[Integer Constant in Metric](メトリックの整数の定数): メトリックの整数の値の後に「.0」を追加するかどうかを決定します。デフォルト値は、[継承 - 定数に「.0」を追加] です。

[Metric Join Type] (メトリック結合タイプ): メトリックをほかのメトリックに結合するためのデフォルトの方法を定義します。

  • [継承] (デフォルト): メトリックは、レポートまたはプロジェクト レベルの設定を使用して、メトリックを他のメトリックと結合する方法を決定します。
  • [内部結合]: 1 行に、その行内のすべてのメトリックのデータが含まれる場合にのみ、レポートにその行を含めます。
  • [外部結合]: レポート上の他のメトリックに関係なく、メトリックのすべての行を表示します。

[Null Check] (NULL チェック): NULL 値を含む算術演算を処理する方法を指定します。分析エンジンは、すべてのクエリ内の NULL 値をチェックするか、一時テーブルの結合にのみチェックできます。デフォルト値は、[継承 - 全クエリの NULL を確認] です。

[Transformable Aggregation Metric] (トランスフォーメーション可能な集計メトリック): ネストされた集計を使用する複合メトリックにトランスフォーメーションを実行するために使用されるメトリックを定義します。このプロパティの使用方法のシナリオの例は、『システム管理ガイド』を参照してください。たとえば、2 つのメトリックを作成したとします。最初のメトリック Metric1 は、式 Sum(Fact) {~+, Attribute+} を使用します。ここで Fact は、プロジェクトのファクトであり、Attribute は、Metric1 のレベルを定義するためにプロジェクトで使用されたアトリビュートです。2 番目のメトリック Metric2 では、式 Avg(Metric1){~+} を使用します。両方のメトリックが集計関数を使用するため、Metric2 は、ネストした集計を使用します。

トランスフォーメーションのショートカット メトリックが Metric2 に定義されていて、Metric1 がレポート レベルより低いレベルで定義されている場合、レポートに Metric2 を含めると正しくない結果を返すことがあります。このシナリオでは、トランスフォーメーションは、この場合は、外部メトリックである Metric2 に適用されます。トランスフォーメーションを正しく実行するためには、トランスフォーメーションは、この場合は、内部メトリックである Metric2 に適用する必要があります。このシナリオで Metric1 にトランスフォーメーションを適用するには、[Transformable Aggregation Metric] (トランスフォーメーション可能な要約メトリック) オプションを使用できます。以下のオプションがあります。

  • [継承] (デフォルト): メトリックはレポートまたはプロジェクト レベル設定を使用して、ネストされた集計を使用する複合メトリックにトランスフォーメーションを実行するためのメトリックを指定できます。
  • [True]: このメトリックは、ネストした集計を通して他のメトリックに含まれている場合に、トランスフォーメーションを実行するメトリックとして定義されます。このオプションは、上記の Metric2 に類似したシナリオのために定義されたメトリックのみに使用します。
  • False: このメトリックはデフォルトのトランスフォーメーション動作を使用します。このオプションは、上記の Metric2 に類似したシナリオのために定義されたメトリックを除くすべてのメトリックに使用します。

[Zero Check] (ゼロチェック): ゼロでの除算の処理方法や、除算演算中に分母のゼロをチェックするタイミングを指定します。ゼロ チェックが実行されると、除算の分母に含まれるゼロは NULL 値に変換されます。以下のオプションがあります。

  • [継承] (デフォルト): メトリックは、レポートまたはプロジェクト レベルの設定を使用して、ゼロによる除算の処理方法を指定します。
  • [何もしない]: 分析エンジンではなくデータベースによりゼロでの除算を処理します。
  • [全クエリのゼロを確認]: すべてのクエリのゼロでの除算を確認します。
  • [一時テーブル結合時のみゼロをチェック]: 一時テーブル結合の場合に、ゼロでの除算をチェックします。

[COUNT DISTINCT] (個別のカウント): 複数のパーティション テーブルで実行され個別の値の数を返すクエリの処理方法を指定します。個別の値の数によって、ある特定の日に何種類の商品が販売されたかというような情報を返すことができます。プロジェクト設定に正しいオプションを選択することで、パフォーマンスを向上させることができます。以下のオプションがあります。

  • [継承] (デフォルト): メトリックは、レポートまたはプロジェクト レベルの設定を使用して、複数のパーティション テーブルで実行されるクエリの処理方法を決定します。
  • [パーティション テーブルに、DISTINCT プロパティを COUNT メトリックと共に使用するように設定しない]: 複数のパーティション テーブルから個別の値の数を返します。まず、これらのテーブルが 1 つの大きな結果テーブルにまとめられ、その後で COUNT DISTINCT 計算が実行されます。これによって正しい結果が返されますが、COUNT DISTINCT 計算を実行するために複数のテーブルを 1 つにまとめるクエリは、リソースの消費量が大きくなる可能性があります。
  • [パーティション テーブルに、DISTINCT プロパティを COUNT メトリックと共に使用するように設定]: 複数のパーティション テーブルから個別の値の数を返します。まず個別の値のみを返すことによって、各パーティション テーブルのサイズが縮小されます。その後、これらの小さいテーブルが組み合わされて、COUNT DISTINCT 計算が実行されます。このオプションでは、パーティション テーブルを組み合わせて最終の個別のカウントの計算を行う前にパーティション テーブルのサイズを縮小することによって、パフォーマンスを向上させることができます。

列オプション

[列オプション] セクションでは、一時テーブルでのメトリックの別名を指定し、メトリックのデータ タイプを選択できます。

[テーブル作成に使用する列名]: 一時テーブルでのメトリック名を変更する、列別名を入力します。この名前変更はメタデータのメトリックの実際の名前には影響を与えませんが、名前を変更することによって、長い SQL レポートなどでメトリックを容易に特定できるようになります。一時テーブルは、データ マートと SQL 生成で使用されます。

[データ タイプ]: メトリックのデータ タイプを指定します。

結合

[メトリック結合]: メトリックをほかのメトリックに結合するためのデフォルトの方法を定義します。

  • [デフォルト継承値]: メトリックは、レポートまたはプロジェクト レベルの設定を使用して、メトリックを他のメトリックと結合する方法を決定します。
  • [内部結合]: 1 行に、その行内のすべてのメトリックのデータが含まれる場合にのみ、レポートにその行を含めます。
  • [外部結合]: レポート上の他のメトリックに関係なく、メトリックのすべての行を表示します。

[メトリック式の結合]: 結果セットをメトリックと結合する方法を決定します。

  • [デフォルト継承値]: 各エレメント内に定義されている結合。
  • [内部結合]: 全エレメントで共通なデータ、つまり情報の交差部分のみを含めます。
  • [外部結合]: 全エレメントに適用されるデータ、つまりすべての情報の組み合わせを含めます。