Version 2021

If 関数と Case 関数による派生メトリックへの条件付き計算の追加

条件付き計算は、MicroStrategy Web のフィルターとしきい値で提供される条件付き分析を補足するために使用することができます。ドシエの 1 つ以上のメトリックの値に基づいてデータを別のグループに組み合わせることにより、条件付き分析を提供することができます。

ビジュアリゼーションに各曜日のフライト数、オンタイムのフライトのパーセンテージ、および平均遅延 (分) を表示することができます。

フライトのパフォーマンスを平均のオンタイム率に基づいて評価します。オンタイム率が 52% 以下であればパフォーマンスが低いと評価し、60% を超えていればパフォーマンスが高いと評価します。Avg On-time (%) メトリックに基づいた条件付きの分析を含む新しい Performance メトリックを作成します。この条件付き分析は、If 条件関数を使用する派生メトリックを作成することで実行できます。

IF(([Average (On-time %)]<=0.52), "Poor", "Good")

"Origin Airport Name" (出発地空港名) でパフォーマンスを細分化し、分析を続けます。"Origin Airport Name" (出発地空港名) アトリビュートを、[データセット] パネルから [エディター] パネルの [行] 領域にドラッグします。

メトリックの値を 3 つ以上のグループに分類したい場合は、Case 関数を使用して派生メトリックを作成します。Performance メトリックを変更し、パフォーマンスを 2 つではなく 3 つのグループに分類する式を使用するようにします。"Excellent" グループは平均のオンタイム率が 60% を超える空港を示しています。

Case(([Average (On-time %)]<=0.52), "Poor", ([Average (On-time %)]>0.6), "Excellent", "Good")

Case 関数は If 関数と同じ条件付き分析を実行します。ただし、If 関数がメトリックの値を 2 つのグループにしか分類できないのに対して、Case 関数はメトリックの値を 2 つ以上のグループに分類できます。Case 関数を使用すると、2 つ以上の条件を指定して関心のあるメトリックを評価することができます。

If または Case 関数では、複数のメトリックに対して分類を適用することができます。平均のオンタイム率と平均の遅延時間 (分) の両方に基づいてフライトのパフォーマンスを評価することができます。平均のオンタイム率が 52% 以下で、平均の遅延時間が 15 分以上であればパフォーマンスが低いと評価し、それ以外であればパフォーマンスが高いと評価します。Average (On-time %) メトリックと Average (Delay (min)) メトリックに基づいた条件付きの分析を含む新しい Performance メトリックを作成します。

IF((([Average (On-time %)] <= 0.52) And ([Average (Delay (min))] >= 15)),"Poor","Good")

条件付き分析は、フィルターとしてビジュアリゼーションに含まれるのではなく、派生メトリックとして作成されるので、条件付き分析のすべての結果はすぐにビジュアリゼーションに表示されます。上の例では、パフォーマンスの高い空港とパフォーマンスの低い空港の両方を含むすべての空港についてのデータを表示することができます。対照的に、ビジュアリゼーションにフィルターを適用すると、フィルター条件を満たさないビジュアリゼーションのデータを非表示にします。

派生メトリックを使用した条件付き計算の実行

  1. Open the dossier you want to modify.
  2. 派生メトリックを作成し、ビジュアリゼーションで後で使用するために予約します。[データセット] パネルで、派生メトリックを作成するデータセットの右にある [その他] をクリックして [メトリックを作成] を選択します。

    メトリック式エディターが開きます。

  3. メトリックの名前を [メトリック名] フィールドに入力します。
  4. [関数] ペインで If または Case 関数を見つけます。
  5. [関数] ペインで、If または Case 関数の上にカーソルを置き、[編集] をクリックします。
  6. 引数として使用する値を入力します。If 関数を編集している場合は、ステップ 7 の値を使用します。Case 関数を編集している場合は、ステップ 8 の値を使用します。
  7. If 関数の構文は IF(Condition, TrueResult, FalseResult) です。ここで:
  8. Condition は条件式です。この条件には、メトリック、比較演算子、論理演算子、および定数を含めることができます。条件は、TRUE または FALSE に評価される必要があります。

    TrueResult は、条件が TRUE の場合に返される定数またはメトリック値です。テキストを返される値として表示するには、テキストを二重引用符 ("") で囲みます。

    FalseResult は、条件が FALSE の場合に返される定数またはメトリック値です。テキストを返される値として表示するには、テキストを二重引用符 ("") で囲みます。

  9. Case 関数の構文は Condition(Condition1, ReturnValue1, Condition2, ReturnValue2,..., DefaultValue) です。ここで:
  10. Condition1 は 1 番目に評価される条件です。この条件には、メトリック、比較演算子、論理演算子、および定数を含めることができます。

    ReturnValue1 は、Condition1 条件が TRUE の場合に返される定数またはメトリック値です。テキストを返される値として表示するには、テキストを二重引用符 ("") で囲みます。

    Condition2 は、2 番目に評価される条件です。この条件には、メトリック、比較演算子、論理演算子、および定数を含めることができます。

    ReturnValue2 は、Condition2 条件が TRUE の場合に返される定数またはメトリック値です。テキストを返される値として表示するには、テキストを二重引用符 ("") で囲みます。

    ... (省略記号) は、別の論理グループを作成するために使用することができる任意の数の条件と戻り値の組合せを示します。どの条件にも戻り値が必要です。

    DefaultValue は、どの条件も TRUE でない場合に返される定数またはメトリック値です。テキストを返される値として表示するには、テキストを二重引用符 ("") で囲みます。

  11. [追加] をクリックして、メトリックに関数を追加します。設定した引数を含む関数が、メトリック式エディターの右ペインに表示されます。
  12. [検証] をクリックし、式の構文が有効かどうかをチェックします。
  13. [保存] をクリックします。

Case 関数の使用方法については、下記の動画を確認してください。

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